サビ猫あゆちゃん
「あゆちゃん」という名前がついていたことを知ったのは、亡くなった2ヶ月後でした。
現在保護中のキキちゃんに待ち伏せされていた頃、時々一緒に現れ、細い細い体で生きていたコです。
他の野良猫たちとは違ってガリガリで、おとなしくて控えめで遠慮がち。
キキちゃんが私にすり寄る姿を見て、少しずつそばに来てくれるようになりました。
あゆちゃんを見かける日は多くはありませんでしたが、いつもキキちゃんと寄り添っているのも見ていたので、2頭とも連れて帰ろうと決めました。
あゆちゃんに関しては、私が個人的に見た目も仕草も控えめな性格も気に入り、守りたくなってしまいました。
それなのに救えませんでした。まずキキちゃんを保護して、それからあゆちゃんの保護をしようとした私の判断ミスです。
あゆちゃんを保護できるチャンスは確実にありました。あの日、躊躇わず連れて帰れば必ず救えたと、、断言できてしまうことが今も悔しくて仕方がありません。
キキちゃんを保護して家に連れ帰った次の日から、あゆちゃんの姿を見かけなくなりました。その頃はまだ私自身が行動し切れなかった時期で、餌やりお世話をしてくださっていたS様とお話しできる状況ではなく、社内での目撃情報を元にひとりで勝手に探し回ることしかできませんでした。
S様を呼び止め、ようやく話ができた日、あゆちゃんはもういくら探してもいないという事実を知りました。
その中でせめてもの私の救いはS様の家で旅立ったことです。しかし、救いとともにやはり自分のミスが招いたことだと思い知らされました。
もっと早くS様に聞きに行っていれば…あゆちゃんを連れて帰れた。もしかしたら助けられたのにな。出会ったのが私じゃなければ良かったんだと思いました。
私じゃなく、他の人ならば絶対に助けていたはず。もう、そういう思いにならないようにしていかなければなりません。